風に向かって 壁に向かって

風に向かって書くように。壁に向かって話すように。日記や考え事の中身を書いたり、気に入ったものの紹介をしています。どちらかといえば個人的に。

その嘘は君に任せた

友人から急に短歌のお題が届いた。

『その嘘は君に任せたー』以降を作ることに。

 

短歌を作り始めて2,3ヶ月の人の割に、面白い出だしだと思う。

いろいろ発展性がある。

 

このお題を聞いて、すぐに浮かんだイメージはあるんだけど、それが言葉にできない。

 

イメージ

・高校生くらいの男の子、女の子がいます。

・二人は恋人同士です。

・この恋愛関係を成立させてるモノのうち、ファンタジーっぽく、かつマジカルな要素を『嘘』と表現しています。

・二人の共通了解である『嘘』を再確認するため、相手に投げかけています。(楽しそうに)

 

コレが5・7・5・7・7に転換できない・・・ので俳句にしてみた。

 

『その嘘は君に任せた夕蛙』

 

カエル、嘘ついてもゆるされそうじゃん?

(カエルの写真を張ろうとするも、蛙が苦手すぎて写真を直視できない・・・。)

恐竜とか、実は最近まで生きてたんじゃなかろうか説

恐竜とかが数千年くらい前まで生きていて、それを見た人類が、神やら竜やらとして記録を残した・・・とかだったらいいなぁ。

こんなことにロマンを感じてしまう30才。

 

昼休みに「最近の学説だと、ティラノサウルスとか羽毛ふかふかだったんだって?」というような会話になった。

↓イメージ図

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ジュラシックパークをみた世代には受け入れがたいフサフサ感。サンリオあたりで商品化できそうなフォルム。

 

恐竜がもしもこんな風だとしたら。竜やらオロチやらが、生きてる恐竜を古代人が目撃した結果とは考えにくい・・・やつらフサフサしてないし。

 

しかも、アフリカ奥地に恐竜が生きてる!!とかそういうネッシー系の未確認動物の信憑性も大きく下がってしまう。毛がフカフカネッシーとか聞いたことない。

 

考えがここにいたって、凄くがっかりした。

恐竜の生き残りも、古代人と恐竜の共生も有り得ないなんて。夢も希望も絶たれたと思った。

 

でもよくよく考えてみると、希望がある。

我々人類は、最近まで恐竜がフカフカであることを知らなかった。

だから、もしも「羽毛を生やした大きな爬虫類」の伝説を古代から伝えている民族があれば、この民族は古代に恐竜の生き残りを見ていた可能性が高いんじゃなかろうか。

 

ここで、自分に電撃走る。ケツァルコアトル!!!」

 

ケツァルコアトルマヤ文明の神。元々は巨大な蛇神。

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         名前の意味は「羽毛を持つ蛇」!!

小学生のころインカ、マヤの本で読みました。(そのあとゲームにも出てきた。)

 

あぁ、古代の南米には恐竜がいたんだ。そんで現地の古代人に神様神様崇められてたんだ・・・・。夢も希望もあったんだ。

一人で納得し、午後から安心して仕事ができた。

良かった良かった。

 

 

最後に未確認動物探検隊の人に一言アドヴァイス。

 

恐竜=フカフカ説 が知られる前の時代に「羽毛の生えた巨大爬虫類」の目撃情報があった場所。これが恐竜の生き残りがいる可能性の高い場所だろう。

逆に今まで『いかにも爬虫類な恐竜(=当時の恐竜観に沿った恐竜 )見ました』、みたいな報告が出ている地域はでまかせくさい。

 

 はやく見つかんないかな、恐竜。

「人類は衰退しました」の真実。妖精さんが表すもの。

人類は衰退しました 9」読みました。まさかの最終巻。   

 

人類は衰退しました 9 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 9 (ガガガ文庫)

 

 

科学も都市も学校も貨幣もなくなった未来。

里のみなさんで自給自足の衰退ライフをのんびりやれればそれでいいや、という世界のなか、人類最後の高等教育を受け、もはや存在自体が怪しい国連の職員として働き始める「わたし」。 

役職名は「調停官」。

それは人類が衰退すると同時期に増え始めた、不思議パワーとノリの生き物「妖精さん」達と人類のお付き合いを上手くこなすためのお仕事でした。

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 ・・・というのがあらすじ。(貨幣が存在しない世界の「国連職員=非生産職」ってどうやってご飯食べてくんだろう?)

 

このシリーズ、自分は妙に好きで、普段は見ないアニメまで見てしまう始末。(アニメ面白かった。色味がいいかんじ。)

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楽でクリエイティブな仕事がしたい』、『「職掌の範囲外なので」とかいって仕事サボりたい」』みたいな数々の駄目人間的発言をくりかえす「わたし」が「妖精さん」が起す迷惑騒ぎを解決していきます。

(「わたし」が原因の迷惑騒ぎもかなりある気がするが。)

 

 自分は、「わたし」が地下の科学遺跡を探索する羽目になる話が一番好き。「妖精さん」無しだとフツーに死ぬ作中1,2を争うシビア加減でした。

 

ちなみに最終巻は今までと違って、妖精さん的なさわぎは在りません。

 というか、読み終わっての第1声が

「えっ、この世界、理屈とか細かい世界設定とかがあったの!?」です。

妖精さんの不思議パワーで総て説明するのかと思ってました・・・。

なんかいきなりキチンとしたSF(ファンタジー?)風になってる。

 

この巻で、衰退世界の歴史、人間さんの存在の真実、そして「妖精さん」とは何か、が明かされます。

いずれも明言されず、仄めかしの域を出ない書き方がにくいのですが、頭の中を整理すると、こういうことになりそう

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私達の住む「光のある世界」と別に「光のない世界」があり (怪しい宗教かよ!?)、人類の衰退前、妖精はここから人類を見続けていた。

 

人類が自力での発展の限界にぶち当たり、衰退を始めたあたりからこの二つの領域の間に境目ができ始め、現実世界自体も、ゆるーい感じに変わっていきました、と。

(たいしてシリアスな世界観ではないので、用語を適当に置換しときました。)

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この二つ世界を繋ぐ役目が「調停官」の真髄だったということですね。

お菓子を作って妖精さんにあげるのが本業かと思ってました。

 

そして、「わたし」みたいに妖精さんをたくさん見られる、仲良くできるような人間はどこの時代にもいて、妖精さんは生きるのが辛い人間のそばにいてくれる存在だった、と。

「わたし」の学生時代、心自閉状態で妖精さんと初コンタクトするエピソードもそういうことだったんですね。

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この「妖精さん」ってうちらの住む現実にもいますよね。

つらくて無慈悲なリアルワールドを覆う、ラブ的な何か。

 

時々、僕らの住んでる世界も似たようなものに覆われてるような気がします。

これになんて名前をつけたらよいのだろう。

ロマン、らぶ、不思議、ファンタジー、美、温かみ、楽しさ、希望、ユーモア、わくわく、言い表せない観念もひっくるめて。

 

それを感じるとき、人間は世界を素晴らしいと思うんだとしたら。

 

妖精さん」って、世界を素晴らしいと感じさせるもの、この名前をつけられない何かのメタファーなんだと思いました。

 

以上で何年も続いた「人類は衰退しました」本編は終了とのこと。

作者の人、お疲れ様でした。

 

最終巻で一番好きな場面は 最後の方。

月面で死に打ちのめされた「わたし」に向けて、妖精さん妖精さんの好物の金平糖を満載して地球から打ち出された貨物が着弾するところです。

金平糖が空から降りそそぐわ、仲間が来るわ。

最終巻たるものこうでなきゃ。

いきすぎた友達

柴田聡子「いじわる全集」を購入。

収録されてる『いきすぎた友達』が素敵過ぎてエンドレスで聴いてしまう。

ぽかんとした歌い口、繰り返すシンプルなフレーズ。

強烈ではないが、心地よい日常的なイメージがぽんぽんと浮いてくる。

 

いじわる全集~初回限定盤

いじわる全集~初回限定盤

 

 

柴田聡子-いきすぎた友達MV

https://www.youtube.com/watch?v=GiVMtuTvO5g

 

’’わたしたち いきすぎた友達 盆も正月もいっしょ’’ という二人組。

なんとなく女友達二人を想像していたが、どうも男女のようだ。

 

この二人の関係性を色々想像してしまえるのがいい。

 

幼馴染なんだろうか。

’’タンスの中に隠れてきっかけは恐竜図鑑”

’’人形の真似がうまいから あのパンダの役は’わたしが’’

 

仲が良いが、心地よい距離感。

’’離れがたくはあるけれど 離れてしまえばそれはそれで あとはたのしい約束をまいにちまいにち電話でしよう’’

’’あれは台北旅行の計画 遠出するのはいきすぎてる 何度も言ってるでしょ’’

 

後半では、二人のイメージに変化が・・・? 単純な幼馴染じゃない!?

’’服を着る前になにをするかわからないのなら 教えようか 素直にわからないと言ってくれたら’’

’’わたしたち知らなくてもいいことだらけだと思うんだけど’’

’’おとなりさんのまぼろし信じて’’

 

人によってすごく解釈の幅が出そうなところがまたよい。

こういうのを豊かなイメージを持つ歌というべきなんだろう。

 

’’きみんちの父さん母さんのウォーターベッド踏みつけて 海でも湖でもないここでこっそり水遊び’’のくだりが一番好きだ。

 

お勧めの一枚。

 

Call past rain

ずっと雨が降っている。

何日も何日も降っている。

 

眠たくてしょうがないので一日寝て過ごす。

雨の音がする。

 

のそっと起きたとき、この曲が聴きたくなった。

聴いてると、いつもより深く呼吸が出来そうな気がする。

澄んだ音、繰り返す細い声、儀式めいた雰囲気、真摯な感情、曖昧なビジョン。

曲のタイトルが一番好き。

 

World's end girlfriend - Call Past Rain


Scenery - YouTube

 

『声に出したら消えてしまいそうだから』

『声に出したら忘れてしまいそうだから』 

 

 

 

 

 

Still Alive

 

アクションパズルゲームPortal」の挿入歌が気になって仕方ないので、

自分で訳してみた。(劇中の固有名詞は訳さず。)

僕らが何をしても、サイエンスは進み続ける。 

僕らが死んでも進み続ける。

死んだ人を忘れ、新しい銃を作りながら。

 


Portal - 'Still Alive' - YouTube

 

「Still Alive」

This was a triumph.          すばらしい成果です。
I'm making a note here:          実験ノートに書いておきましょう、

HUGE SUCCESS.                                 「大成功」って。
It's hard to overstate          私がどんなに満たされているか、     
My satisfaction.            あなたにわかりますか?
Aperture Science           
We do what we must          しなきゃいけない事を成しましょう。
Because we can.            「可能だから」これが全て。 
For the good of all of us.          全てはみんなのために。
Except the ones who are dead.   死んでしまった人たち以外のみんなのために。

But there's no sense crying      ミスを悔やんでも仕方ありません。
Over every mistake.
You just keep on trying          実験を繰り返すのです。
Till you run out of cake.         ケーキが無くなるまで。
And the Science gets done.     「科学」を進めましょう。
And you make a neat gun.       素敵な銃を作りましょう。
For the people who are         生き続ける人達のために。
Still alive.                生き続ける人達のために。

 

I'm not even angry.                                怒ってなんかいません。
 I'm being so sincere right now.     今はとってもすっきりした気持ちです。
Even though you broke my heart.    あなたに踏みにじられたことも。
And killed me.              あなたに殺されたことも。
And tore me to pieces.        あなたは私を引き裂いて、
And threw every piece into a fire.     火の中に投げ込みました。
As they burned it hurt because     でも、燃えていく苦しみの中ですら、

I was so happy for you!         あなたの事が誇らしかった。
Now these points of data       実験データのグラフを見てみなさい。

Make a beautiful line.         点と点をつなぐ曲線の、美しいこと。      
And we're out of beta.        これでベータテストが出来ますね。
We're releasing on time.       すぐにでも配布しましょう。
 Think of all the things we learned   学んだ全てを役立てましょう。

For the people who are         生き続ける人達のために
Still alive. 
(中略)

And believe me I am still alive      私はまだ生きています。
I'm doing science and I'm still alive      科学を進めるため、生き続けています。
I feel FANTASTIC and I'm still alive     生きるってすばらしいこと。
While you're dying I'll be still alive     あなたが死にゆく時でさえ、
And when you're dead I will be still alive   あなたが死んだ後でさえ、
                   私は生きていくでしょう。

Still alive                                              生き続ける人達のために。
Still alive.              全ては生き続ける人達のために。

誰も永遠には生きない その2

実家に戻りご飯を食べて、風呂に入ったあとに再度病院へ。

祖母の夜間付き添い。

 

祖母の病室へついた途端、叔母が言った。

「お前には付き添いは無理かもしれない。」

 

どうも祖母の様子が尋常ではないとのこと。

いきなりうわ言を言って、ぞっとする大声量で笑い出す。

うわ言の内容は「花さかじいさん、花さかじいさん」とか、意味不明。

 

うわ言だけなら別に害はない、と叔母を帰らせて、付き添いへ。

正直に言えば、かなり怖い。

 

叔母が帰ろうとすると「○○ちゃん!!」と叔母の名前を大声で連呼する。

薬のせいかはわからないが、祖母は急に子供のようになってしまっている。

 

明かりが消えてから2時間、最初の姿勢変更をする。

看護士さんに手伝ってもらい、祖母の体を持ち上げたり引っ張ったり。これを怠ると、悲惨な床ずれが出来るらしい。

 

6時間後の姿勢変更が終わり、看護師さんが帰ると、急に祖母が騒ぎ出した。

叔母の名を呼んでいる。

どうも僕のことを孫だと認識できていないようだ。

 

話しかけても耳を貸さないので、歌うことにした。

歌を選択した理由は良くわからない。眠くて頭が働かなかったし。

曲目は「浜辺の歌」。これも理由不明。

 

一番を歌い終わる頃には、祖母は静かになっていた。

きょとん、とこちらを見ている。

その後、急に理性的な表情になった。

知らない人の前で騒いだことを恥ずかしがっているような素振り。

 

その後は何事も無く、朝を迎えた。

 

交代に来た叔父が僕の顔をみて驚いていた。

「男の癖に夜間介護までするとは、お前はなんて偉いんだ。」という趣旨。

 

 

自分としては、一定以上の犠牲を伴う介護をするか、入院費のなどの金銭面での負担をする以外に、祖母の役に立つなんてことはありえないと考える。

どうにも僕は、姉のように1時間かそこら優しい言葉をかけてそれで帰る、みたいな情緒的なものに価値を感じ辛い。

第一、僕や姉の顔すらわかっていないボーっとした祖母に優しく声をかけてもなぁ、と。

叔父にはそういうことは言わなかったけれど。

 

あと、言わなかったことがもう一つ。

祖母に付き添ったのは、祖母や介護中の母のためだけでもない。

「死」に近づいた人間と一夜を共にするというのがどういう事なのか。

それが知りたかった。

 

『誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も永遠には生きない』