愛情とは何か
祖母が転倒、骨折した、との報を聞いて病院へ。
電話口の母親の話では、今にも死んじゃいそう、と言わんばかりの様子だったが、実際に顔を合わせるに、どうもそこまでの話ではないようだった。
薬のせいか、痛みのショックか、表情に乏しく、動きが緩慢な祖母。
動けないので、吸い口で水を飲ませてやり、食事はスプーンで食べさせる状態だったが、それなりに食欲はあるようで、安心した。
電話口の母は、薬による内臓へのダメージからの容態の悪化を病的に怖がっていた。
「いつ死ぬか、わからない」とヒステリックに繰り返していた。
実際病院に言ってみると、祖母には食事制限もかかっていなかった。
食事制限なし=薬や塩分等をろ過、分解する肝臓、腎臓への負担を考えなくていい状態 だろうから、母の心配は杞憂なんだろう。
実際聞いてみれば、母の懸念はお医者さんに言われたことでなく、自分の考えだそうだ。
正直、どっと疲れる。
まぁ、実の母親が怪我したんだし、大目に見るべきだろうけど。
肉親のことになると理性が全く働かない性格、不安に対する耐性が低く、すぐ誰かにぶちまけてしまう、こらえ性のなさ。
この二つを「愛情深さ」と勘違いしていることをいつか指摘しなければ、とは思う。
弟に医学部行きを強制した「愛情」のことについても。
母親のこういう面を見る時、いつも「愛情とは何か」を疑問に思ってしまう。
取り敢えず指摘すべきは今ではない。